このレッスンでは撮影時に何らかの影響で色のバランスが崩れた写真をGIMP の自動や手動で調整するツールを使って本来の色味に近づけます。この写真は夕方に撮影したものですがかなり赤みの強さが全体に現れています。この様な色の偏りを GIMP で自動補正するには色メニューの「自動補正」から「ホワイトバランス」を選びます。画像の RGB の各チャンネルの諧調を自動的に最適化してある程度色味が解消されそれに伴い明るさとコントラストも調整されました。ただ、明るくなったために完全に取り切れていない色の偏りが気になります。そこで、今度は手動での色の補正に切り替えます。色メニューから「カラーバランス」を選びます。カラーバランスではRGB の赤、緑、青とそれぞれの補色であるシアン、マゼンタ、イエローの強弱を調整する事で色のバランスを整えていきます。調整する範囲の選択で画像の暗い部分はシャドウで中間の明るさの範囲を中間調で画像の明るい部分をハイライトでそれぞれの領域に分けて色のバランスを調整します。最初に中間調を選択します。中間の明るさの調整は画像全体の色味の補正に影響します。まず、パッと見たところ画像全体を覆っているマゼンタ気味を解消したいのでここでは、緑の数値を1つずつ上げていきマゼンタの傾向を弱めます。 ここでは、10 に設定をしました。更に赤みが残っているのでシアン寄りの -3 に設定します。黄色味を解消するために青を高めてここでは、12 に設定をしました。ここまでは、中間の明るさの補正でしたが今度は明るい部分を調整していきます。ハイライトに切り替えて空の部分に青みを加えたいので青の数値を高めて5 に設定をします。また、赤みを取りたいのでシアンよりの-9 に設定をしました。最後に画像の暗い部分を調整します。色味は中間調とハイライトでほぼ調整しましたのでシャドウではコントラストを高めて全体的に引き締めます。いずれもマイナス寄りの設定にします。ここではいずれも- 10 に設定をしました。補色が強調されて濃くなります。OK をクリックして確定します。ここで、ウィンドウメニューから「ドッキング可能なダイアログ」で「作業履歴」を選びます。元画像の履歴をクリックして最初の状態と自動のホワイトバランス調整後さらにカラーバランスによる手動補正の結果を比べるとこれだけ色味を解消する事ができました。後は、必要に応じて明るさやコントラストを微調整します。以上、GIMP で自動や手動で色のバランス調整をするツールを使って本来の色味に近づける方法でした。